ひかりのなかで

あたたかくて穏やか

「メモリが一杯です。クラウドに保存しますか?」――頭の容量が足りなくなったとき、どうしたらいいんだろう


 わたしの頭はおそらくニゴロなので――パパが、256MBのUSBメモリのことをこう呼んでいた――たくさんの情報を詰めることができないし、実家にあった初代マッキントッシュくらいのスペックしかないので――これは大好きなパパが愛用していたパソコンだ――すぐに処理落ちしてしまいます。フリーズして強制再起動して…たまに叩いて直して…を繰り返して…パソコンなら新しく買い換えればいいのだけれど、わたしは人間なのでそうもいかない。欠陥品でもムリヤリ動かしていかなければならないし、型落ちでどんなに動きが遅くなろうともアップグレードしていかなくてはならない。そうでないと、昼間のホワイトカラーの世界で生きていくなんてことは到底出来ないと日々感じています。

そこで、クラウドです。初代マッキントッシュクラウドは無理だよ〜〜という機械的な話ではなくて。これはほとんど自分用のメモなのですが、友人や恋人に記憶や気持ちを一部預けてしまおう、という考えを最近手に入れたんです。今までわたしはいろんな人の話をうんうん、って聞いて、そうやって誰かの記憶や気持ちを集めすぎて、自分で使う分の容量を確保できていなくて、そもそも自分が誰かのクラウドをしていたということにも気づいていなくて。だからわたしも周囲に少しだけ甘えて、ほんの少しずつ預けていこうかなって思いました。気付きでした。短い。おしまい。