ひかりのなかで

あたたかくて穏やか

胡乱な客

 

エドワード・ゴーリーの絵本ではなく、人間の姿をしたなにかたちについて。

 

いままで出会ってきた不可解なものたち。それは近くにいるのにチューナーが合っていないのか全く聞こえない。周波数を合わせようとこちらが身を寄せると、理解させまいという風に遠のき、こちらが興味を失って遠のくとまた近づいてくる。

 

知ってほしいのかほしくないのか、はたまたなにかを強調したいのか。そこに秩序はなく、ヒントもなく、まったく何も分からない。

 

ただ話したいだけなら一頻り話させておけばいいのだけれど、なにかもの言いたげに質問をし、それでいてその答えを話そうとはしない。こちらが一生懸命真剣に考えたとて、徒労に終わるのが関の山。挙げ句の果てには相槌にすら腹を立て、どこかへ行ってしまう。混沌とはすなわちこのこと。わたしは仕方なく、手を振り見送る。やれやれ。

 

わたしはこの、胡乱なお客様たちのことをとても知りたいとも思うし、触れてはいけないとも思う。ひとつだけ分かることは、必死に隠しているその宝箱のなかにはおそらく何もないということだけ。