落ち葉降る境内、狛犬の横にちいさな男の子が座り込んでいる。ゲーム機を両手に持って、カチャカチャと音を立てている。プラスチック特有の軽やかなその音につられて、神様が本殿の扉からひょっこりと顔を出す。 「なにしているの?」 「あっきつねさん。ぼ…
青々とした草原がどこまでも続いていて、山も川も街も家も見えなかった。極彩色のワンピースが膝のあたりを撫でる。どの方向に歩いていけばいいのかどこへ歩いていくのかすら分からない。風がそよいで長い髪がなびく。途方に暮れているのに気持ちはすっきり…
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